【書評】『さみしい夜のページをめくれ』感想・要約|「心の運動不足」という言葉に、すべてを言い当てられた
「最近、思いっきり泣いたのっていつだっけ」
そう聞かれて、すぐに答えられませんでした。
大人になってから、感情を出す機会がどんどん減っている気がします。今回はそんな自分に刺さった一冊、『さみしい夜のページをめくれ』の感想を書いていきます。
📖 基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| タイトル | 『さみしい夜のページをめくれ』 |
| 著者 | 古賀史健 |
| 絵 | ならの |
| 出版社 | ポプラ社 |
| ページ数 | 351ページ |
| ジャンル | 物語形式の読書エッセイ |
| 購入方法 | 図書館で借用(18冊目読了) |
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⭐ 総合評価
★★★★★(5.0 / 5.0)
「本を読むと何が得か」ではなく「なぜ本を読むのか」を、物語で教えてくれる一冊。
🎯 こんな人におすすめ
- ✅ 読書をしたいけど、うまく続かない人
- ✅ 最近、感情を出す機会が減ったと感じる人
- ✅ どの本を選べばいいかわからない人
- ✅ 『嫌われる勇気』の著者・古賀史健さんの文章が好きな人
- ✅ 読書の意味を、もう一度言葉にしてほしい人
📌 本の概要
本書は、『嫌われる勇気』の著者としても知られる古賀史健さんが、13歳に向けて書いた『さみしい夜にはペンを持て』の続編です。前作のテーマが「書くこと」だったのに対し、今作のテーマは「読むこと」。
進路に悩む中学生のタコジローが、ヒトデの占い師に導かれながら、「なぜ本を読むのか」「運命の一冊はどう探すのか」を学んでいく物語形式の一冊です。読書とは孤独な行為ではなく、時を超えて誰かとつながる冒険なんだと気づかせてくれます。

📘 この本を選んだ理由
前作『さみしい夜にはペンを持て』が本当に素敵な本だったので、続編と聞いて読まない理由がありませんでした。
ずっと気になっていたところ、図書館で偶然出会い、迷わず手に取りました。表紙のデザインも決め手のひとつです。海の中にある図書館のような、幻想的なイラストが前作同様に美しくて、完全に好みでした。
💡 特に刺さった3つのポイント
① 大人の「心の運動不足」を解消する
本書で一番印象に残ったのが、この言葉です。
物語で笑ったり、泣いたり、怒ったりして心を動かす。これは身体と同じで、心にも良い効果があるという考え方です。
大人になってから、感情を押し殺すことが増えた気がします。泣くのを我慢したり、怒りを抑えたり。それに慣れてしまって、いつしか感情表現そのものが苦手になっていました。悲しいはずなのに泣けない。ムカついているのに怒れない。心が空っぽに感じる瞬間が、正直よくあります。
これはまさに、心の運動不足です。
身体だけでなく、心も動かす習慣をつけたい。そう思わせてくれた一節でした。
② 読書は「脳の能動的運動」
テレビやYouTubeは受動的で、そこまで考えなくても内容を理解できます。一方、読書は能動的です。自分から読みに行って、考えることで初めて内容が理解できる。
これを読んで、腑に落ちたことがあります。自分は本をじっくり読んだ後、意外と疲れます。でもYouTubeを見ていても、そこまで疲れない。この違いは、頭が働いているかどうかの差だったんです。
だからこそ、本は考える力をつけるのに最適なんだと思えました。
③ 本を選ぶことは、明日の自分を選ぶこと
「カルチベート(cultivate)」という言葉が出てきます。日本語にすると「耕すこと」。勉強の本質は、自分を耕すことにあるという考え方です。
学ぶことの入り口には、選ぶことがある。本を選ぶことは、自分を選ぶこと。本を選ぶ時、私たちは「誰に学ぶか」「何を学ぶか」を選んでいるんです。
本屋さんで本を選んでいる時が、一番わくわくします。たくさんある中から、学びたい本、気になる本を自由に選んでいい。**自分の人生は、自分で選択していける。**その感覚を思い出させてくれました。
🔄 読む前と読んだ後の変化
| 読む前 | 読んだ後 | |
|---|---|---|
| 読書の目的 | 知識を得るための手段 | 心を動かすための時間 |
| 感情表現 | 押し殺すことが増えていた | 意識的に心を動かそうと思えた |
| 本の選び方 | なんとなく手に取る | 「自分を選ぶ行為」として意識 |
| 疲労感 | 読書後の疲れを気にしていなかった | 「頭が働いている証拠」と前向きに捉えられる |

🛠 実際に取り入れたこと・やってみたこと
- 【実践①】小説・文庫本を積極的に読むようになった これまでビジネス書中心でしたが、本書をきっかけに物語も読むようになりました。単純に面白いのと、「心の運動不足」を解消したいという気持ちからです。
- 【実践②】本を選ぶ時、直感を大切にするようになった 理屈よりも第一印象。タイトルやデザインで感じる「目の第一印象」を大事にして本を選ぶようになりました。
- 【実践③】感情を出すことを、少し意識するようになった 物語を読んで泣いたり笑ったりすることを、恥ずかしがらずにやってみるようになりました。
😅 正直、ここは物足りなかった
中学生向けに書かれた本なので、大人が読むには物足りなさを感じる部分もあります。ストーリー展開もシンプルで、大きなどんでん返しがあるわけではありません。
ただ、それはこの本の弱点というより、狙い通りなんだと思います。「本を読むとこんな得がある」という損得の話は一切出てきません。ただ、本を読む楽しさに気づいてほしい。そんな著者の思いが伝わってくる一冊でした。
📝 まとめ
『さみしい夜のページをめくれ』は、読書の意味を、押しつけがましくなく教えてくれる一冊でした。
「心の運動不足」「読書は脳の能動的運動」「本を選ぶことは自分を選ぶこと」——どれも、今の自分の読書習慣に新しい視点を与えてくれました。
「最近、心が動いていないな」と感じている方に、ぜひ手に取ってほしい一冊です。
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🔗 合わせて読みたい本
- 『嫌われる勇気』→https://morimote.com/readbook16/(同じ著者・古賀史健さんの代表作)
- 『20歳の自分に教えたい本物の教養』→https://morimote.com/readbook15/(学びの入口を広げる一冊)
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📅 投稿日:2026年6月 ✍️ 執筆者:もりもて|morimote.com
